2023.08.25

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2025.04.01

WordPressとPHPのバージョン対応を早見表にしてみる

WordPressのサイトを作っていると、「テーマが動かない」「真っ白になる」「エラーが出る」など、バージョンの相性問題で思わぬトラブルに遭遇することがあります。

特に、古くから運用されているサーバー環境では、PHPのバージョンが 5.6 や 7.0 のままになっていて、WordPressの最新バージョンが動かないという状況も珍しくありません。

最近のサーバーでは、PHP 8.0〜8.2 が標準になりつつありますが、移行や既存システムのしがらみでバージョンアップができないケースも多いです。

この記事では、WordPressとPHPのバージョン対応表を作り、「どの組み合わせで動作可能か?」を一覧で確認できるようにしました。

※さすがに今どき新規契約でPHP5.6ってことはないと思いますが、昔からのサーバーでは意外と残ってたりします。

サポートが終了したPHPを使うリスクについて

WordPressが動いていたとしても、サポートが終了したPHPバージョンを使い続けることは、深刻なセキュリティリスクにつながります。

PHP本体のセキュリティアップデートが提供されないため、新たに見つかった脆弱性への対応がされず、以下のようなリスクがあります

  • サーバーが乗っ取られる
  • 管理画面が不正アクセスされる
  • スパム・マルウェアの踏み台にされる
  • Googleから危険サイト判定される

WordPressやプラグインだけ最新でも、PHPが古いと脆弱性は防げません。

サポート終了のPHP(7.3以前)は、原則として絶対に使わないようにしましょう。

WordPress × PHP バージョン対応早見表

WordPressバージョン リリース日 最小PHPバージョン サポート状況
6.6.x 2024年7月〜 PHP 7.4 以上 サポート中
6.5.x 2024年3月〜 PHP 7.4 以上 サポート中
6.0〜6.4 2022〜2023年 PHP 7.4 以上
サポート終了(一部)
5.9 2022年1月25日 PHP 5.6.20以上 サポート終了
5.6〜5.8 2021年以前 PHP 5.6.20以上 サポート終了
5.2〜5.5 2019〜2020年 PHP 5.6.20以上 サポート終了
5.1以下 2019年以前 PHP 5.2.4以上 サポート終了

PHP バージョンごとのサポート状況

PHPバージョン リリース日 アクティブサポート終了 セキュリティサポート終了 脆弱性リスク
8.2 2022年12月 2024年12月(予定) 2025年12月(予定) なし
8.1 2021年11月 2023年11月 2024年11月(予定)
8 2020年11月 2022年11月 2023年11月
7.4 2019年11月 2021年11月 2022年11月
高(※サポート終了)
7.3 2018年12月 2020年12月 2021年12月 非常に高い
7.2 2017年11月 2019年11月 2020年11月 非常に高い
7.1 2016年12月 2018年12月 2019年12月 非常に高い
7 2015年12月 2017年12月 2018年12月 非常に高い
5.6 2014年8月 2017年1月 2018年12月 極めて高い

※セキュリティサポートが終了したバージョンは深刻な脆弱性リスクがあります

まとめ

  • WordPressとPHPはセットで考えるべき
  • WordPress最新版を使うには PHP 7.4以上 が必要
  • 古いサーバーでPHPが5.6のままなら、WordPressも旧バージョンで止めるしかない
  • ただし古いPHPはセキュリティサポート終了済み
  • 表示されているからといって「安全に使える」とは限らない
  • サイトを新しく構築・移行するなら、最低でもPHP 8.0以上を推奨

さいごに

WordPressの不具合や謎のエラーにぶつかったとき、実は「バージョンの相性」が原因だったということはよくあります。

今回の早見表が、「PHPのままならないバージョン縛り」と戦う誰かの役に立てば嬉しいです。