WordPressのサイトを作っていると、「テーマが動かない」「真っ白になる」「エラーが出る」など、バージョンの相性問題で思わぬトラブルに遭遇することがあります。
特に、古くから運用されているサーバー環境では、PHPのバージョンが 5.6 や 7.0 のままになっていて、WordPressの最新バージョンが動かないという状況も珍しくありません。
最近のサーバーでは、PHP 8.0〜8.2 が標準になりつつありますが、移行や既存システムのしがらみでバージョンアップができないケースも多いです。
この記事では、WordPressとPHPのバージョン対応表を作り、「どの組み合わせで動作可能か?」を一覧で確認できるようにしました。
※さすがに今どき新規契約でPHP5.6ってことはないと思いますが、昔からのサーバーでは意外と残ってたりします。
サポートが終了したPHPを使うリスクについて
WordPressが動いていたとしても、サポートが終了したPHPバージョンを使い続けることは、深刻なセキュリティリスクにつながります。
PHP本体のセキュリティアップデートが提供されないため、新たに見つかった脆弱性への対応がされず、以下のようなリスクがあります
- サーバーが乗っ取られる
- 管理画面が不正アクセスされる
- スパム・マルウェアの踏み台にされる
- Googleから危険サイト判定される
WordPressやプラグインだけ最新でも、PHPが古いと脆弱性は防げません。
サポート終了のPHP(7.3以前)は、原則として絶対に使わないようにしましょう。
WordPress × PHP バージョン対応早見表
WordPressバージョン | リリース日 | 最小PHPバージョン | サポート状況 |
6.6.x | 2024年7月〜 | PHP 7.4 以上 | サポート中 |
6.5.x | 2024年3月〜 | PHP 7.4 以上 | サポート中 |
6.0〜6.4 | 2022〜2023年 | PHP 7.4 以上 |
サポート終了(一部)
|
5.9 | 2022年1月25日 | PHP 5.6.20以上 | サポート終了 |
5.6〜5.8 | 2021年以前 | PHP 5.6.20以上 | サポート終了 |
5.2〜5.5 | 2019〜2020年 | PHP 5.6.20以上 | サポート終了 |
5.1以下 | 2019年以前 | PHP 5.2.4以上 | サポート終了 |
PHP バージョンごとのサポート状況
PHPバージョン | リリース日 | アクティブサポート終了 | セキュリティサポート終了 | 脆弱性リスク |
8.2 | 2022年12月 | 2024年12月(予定) | 2025年12月(予定) | なし |
8.1 | 2021年11月 | 2023年11月 | 2024年11月(予定) | 低 |
8 | 2020年11月 | 2022年11月 | 2023年11月 | 中 |
7.4 | 2019年11月 | 2021年11月 | 2022年11月 |
高(※サポート終了)
|
7.3 | 2018年12月 | 2020年12月 | 2021年12月 | 非常に高い |
7.2 | 2017年11月 | 2019年11月 | 2020年11月 | 非常に高い |
7.1 | 2016年12月 | 2018年12月 | 2019年12月 | 非常に高い |
7 | 2015年12月 | 2017年12月 | 2018年12月 | 非常に高い |
5.6 | 2014年8月 | 2017年1月 | 2018年12月 | 極めて高い |
※セキュリティサポートが終了したバージョンは深刻な脆弱性リスクがあります
まとめ
- WordPressとPHPはセットで考えるべき
- WordPress最新版を使うには PHP 7.4以上 が必要
- 古いサーバーでPHPが5.6のままなら、WordPressも旧バージョンで止めるしかない
- ただし古いPHPはセキュリティサポート終了済み
- 表示されているからといって「安全に使える」とは限らない
- サイトを新しく構築・移行するなら、最低でもPHP 8.0以上を推奨
さいごに
WordPressの不具合や謎のエラーにぶつかったとき、実は「バージョンの相性」が原因だったということはよくあります。
今回の早見表が、「PHPのままならないバージョン縛り」と戦う誰かの役に立てば嬉しいです。